カテゴリー:カラマーゾフの兄弟
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『カルガーノフの号泣』 カルガーノフはミーチャの母方のミウーソフ家の親戚で、アリョーシャの友人である。乞食に施しを与えながらも、その姿が偽善者に映らないか、気にするような、自意識過剰な二十歳の青年だ。繊細で内省的だが、同時に…
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ミーチャは、父親殺しの容疑で逮捕され、連行される直前に、《童》の夢を見た。彼は、大火事で焼け出された村を、馬車で通り過ぎて、こう叫ぶ。 「教えておくれよ。なぜ焼け出された母親たちがああして立っているんだい。なぜあの人たちは貧乏…
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『肉弾スメルジャコフ』 「僕(※引用者注 イワン)を尊敬しようって気を起こしたんですよ。あれ(※引用者注 スメルジャコフ)はただの召使いの、下種野郎です。もっとも時期がくれば、最前線の肉弾になるでしょうがね。」 カラマーゾフの兄弟 …
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2016.5.7に行った、長野市での『カラマーゾフの兄弟』の 読書会の模様です。 『自己欺瞞』と『赦し』というテーマで話し合いました。 Amazon.co.jp ウィジェット 役に立ったらにポチ…
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『ミーチャとポーランド人』 グルーシェニカが、初恋の相手であるポーランド人将校からの手紙を受け取ったことを ミーチャは話に聞いていた。 しかし、彼は、彼女が父親のフョードルと自分のいずれかを選ぶと信じて…
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信州読書会の姉妹読書会である岡山読書会のyuukiさんと スカイプを使って読書会を行いました。 現在、一緒にドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』を 新潮文庫で読んでいます。 キリスト教に関する内容なので、日本人に…
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『カラマーゾフの兄弟』の読書会をスカイプで行いました。 長い小説なので前半部分だけ解説しました。 この作品のテーマは、スバリ 『人間の自己欺瞞と信仰』です。 難解な作品で挫折す…
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『カラマーゾフの兄弟』より 『カナの婚礼』
04.14
『カナの婚礼』 アリョーシャは、ゾシマ長老の柩の傍らでパイーシイ神父による ヨハネ福音書の『第二章 カナの婚礼』の朗読を聴いた。 そこには、ガリラヤのカナでの貧しい婚礼が描かれている。 宴会の最中にぶどう酒がなく…
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「クラソートキンとイリューシャ」 クラソートキン(コーリャ)はませた14歳の男の子だ。 同級生から一目置かれるために、 列車の通過する線路にねそべって肝試ししたり、 市場の大人たちをからかって怒らせたりと、札付きの悪…
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『生ける神のみ手のうちに落ちるのは、恐ろしいことである』 『ヘブル人への手紙』第十章第三十一節 出家したばかりの若き日のゾシマのもとに、慈善家が訪れる。 彼には秘密があった。14年前に令嬢に恋して、嫉妬から…
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『グルーシェニカと一本の葱』 ゾシマ長老の死後、多くの信者に動揺が走った。 数々の奇跡を起こした長老のご遺体から思いもかけない腐臭がしたからだ。 アリョーシャはいとも簡単に信仰が揺ら…
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富裕な地主のホフラコワ夫人の14歳の一人娘リーザは、小児麻痺にかかり 車いすの生活をしていた。 奇跡による小児麻痺の治癒をへ願って母娘はゾシマ長老のもとへ通う。 ゾシマは、信仰心の薄…
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『ごまかしだらけのへちまの名誉』 『カラマーゾフの兄弟』にスネギリョフという男が出てくる。 特徴あるあごひげのせいで、「へちま」とあだ名されている。 彼は、元二等大尉であるが、現在は…
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『スネギリョフ』 『カラマーゾフの兄弟』のテーマは『親を赦せるか?』である。 元二等大尉のスネギリョフは、ドミートリーの振り出した手形を フョードルの代理人としてグルーシェニカに、持ち込んだことで、 ドミートリーの恨…
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『カラマーゾフの兄弟』より 『イワンと大審問官』
01.16
『イワンと大審問官』 イワンは、人間の再生を真剣に考えている恐ろしい思想家だ。 『あらゆる地上の国家がゆくゆくは全面的に教会に変るべきであり、 それも教会と相容れぬ目的をすでにことごとく排除したあと、 教会になるほかないのです。…
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『カラマーゾフの兄弟』より 『イワンと自己欺瞞』
01.16
『イワンと自己欺瞞』 イワンは幼児虐待を赦せない。 罪もない子どもが、なぶり殺される世界を認められない。 神が創造した世界になぜ幼児虐待があるのか? イワンは怒っている。 …
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『カラマーゾフの兄弟』より 『ゾシマと自己欺瞞』
01.12
ゾシマは『神の国』は近いと信じている。 世界中の人間の犯した罪のためにゾシマは跪拝する。 『真理とは虚偽との尺度である』 とキルケゴールは言ったが、 人間も誰しも、自己欺瞞を抱えて生きている。 …
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『自己欺瞞の怪物 フョードル』 フョードルは、自己欺瞞の怪物である。 でたらめな言動で周囲を自分のペースに巻き込むのが得意だ。 彼は2度の結婚をして一財産築いた。 情欲の怪物でもあり、自宅に水商売…