10/25(土)長野市にて夏目漱石の『門』の読書会を行います。(終了しました)

この記事は3分で読めます

当日つかったレジュメの一部です。

 

私のまとめた『門』のあらすじです

 

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京都大学時代の友人、安井の事実婚の妻を略奪した宗助は、

親告されなかった姦通罪により、徳義のうえで親族から義絶される。

その因果で、御米は三回子作りに失敗する。市役所職員として、

御米と逼塞(ひっそく)して暮らすが、実家の財産の相続に失敗しため年の離れた弟、

小六の学資が不足してしまう。弟を、御米との二人きりの寓居に引き取るが、

先のあてはない。大家の坂井が、小六を書生に引き取ってくれると申し出るが、

なんと坂井の弟は安井のビジネスパートナーであった。

彼は、安井から逃げるように参禅するが、俗世にしか生きられないことを知る。

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読書会で話し合ったテーマです。

 

◯ なぜ、宗助は、いつまでも罪悪感をおぼえているのか?

◯ 安井は、なぜ、御米を妹として、宗助に紹介したのか?

◯ 宗助と御米は姦通罪を犯したのか? 安井と御米は事実婚だったのか?

◯ なせ、御米は、宗助を好きになったのか?

◯ 坂井と宗助は、何が違うのか? 宗助にとって坂井とは何なのか?

◯ 宗助も御米も、なぜ信仰心を起こしたのか?

◯ 「敲いても駄目だ、独りで開けて入れ」とは、どういう意味か?

 

姦通罪 旧刑法(明治40年法律第45号) 第183条 親告罪

 

有夫ノ婦姦通シタルトキハ二年以下ノ懲役ニ處ス其相姦シタル者亦同シ

(夫のある女子が姦通したときは2年以下の懲役に処す。その女子と相姦した者も同じ刑に処する。)

前項ノ罪ハ本夫ノ告訴ヲ待テ之ヲ論ス但本夫姦通ヲ縱容シタルトキハ告訴ノ效ナシ

(前項の罪は夫の告訴がなければ公訴を提起することができない。

ただし、夫自ら姦通を認めていた時は、告訴は効力を有しない。)

 

宗助は、姦通罪で告訴されたわけではないと思うのですが、

安井に対して、ずっと罪悪感を抱えています。

 

罪悪感は、良心の対義語かもしれません。

しかし、良心も罪悪感も、俗世間にしかないものです。

 

漱石の主人公たちは、俗世間の問題で悩んでいます。

しかし、信仰の世界(ここでは禅寺での修行)によって救われるかといえば

救われるというより、その問題が存在しない別の世界に生きることです。

 

そうなると、御米と別れなければなりません。

 

禅寺での修行によっても、解決を見つけられない宗助は、最後には、

時間によってしか罪悪感を癒せないことを悟ったのではないでしょうか。

 

そんなことを参加者さんと話し合いました。

 

(旧告知文)

こんにちは、宮澤です。

(自己紹介はこちら)

長野市にて、「夏目漱石の『門』を精読する読書会」

を開催します。

下記の日程で行います。

ふるってご参加ください。

 

日時:10月25日(土) 13時~ 2時間程度

場所:トイーゴ3階 長野生涯学習センター 和室

地図はコチラです。

定員 5名程度

参加要件 夏目漱石の『門』を読んできてください。

当日本をご持参ください。

青空文庫はこちら
参加費/無料

司会進行は私がすすめます。

講義ではありませんので、皆さんにも積極的にお話してもらいます。

 

【新潮文庫ウラ表紙より引用はじめ】

親友の安井を裏切り、その妻であった御米と結ばれた宗助は、

その負い目から、父の遺産相続を叔父の意にまかせ、

今また、叔父の死により、弟・小六の学費を打ち切られても

積極的解決に乗り出すこともなく、

社会の罪人として諦めのなかに暮らしている。

そんな彼が、思いがけず耳にした安井の消息に心を乱し、

救いを求めて禅寺の門をくぐるのだが。

『三四郎』『それから』に続く三部作

【引用終わり】

 

小説を読解しながら、読書会で意見を交換したいと思います。

 

 

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