2015.2.21に開催した、夏目漱石の『道草』の読書会を、長野市で行いました。
その様子を録音してきたので暇だったら聴いてください。
(以下、旧告知文です。)
こんにちは、宮澤です。
(自己紹介はこちら)
月一回は、夏目漱石の作品を課題図書にしたいので
『道草』を精読する読書会
を開催します。
漱石の作品の中では、自然主義の影響が強い作品だと言われています。
しかしながら、日本の自然主義というのが、
これがめちゃめちゃな解釈で輸入されていまして
自然主義=写実主義という誤解がまかりとおっています。
これは全くの誤解です。
自然主義は、フローベール・モーパッサン・ゾラの作品を読めば
わかるのですが、社会構造をありのままに書くという
サイエンスの一種です。単なる写実ではなくて
キリスト教に対する明確なアンチテーゼであり、
非宗教の共和制へのコミットメントです。
ここがわかっていないと、自然主義=写実主義になってしまいます。
しかし、写実主義は、それを貫けば、これは政治問題になります。
でもなっていません。今後もならないでしょう。
それが日本という国なのです。
日本においては、写実主義すらいまだに、現実化していません。
写実主義は、そのまま、ギリシア哲学につながる問題圏にある話です。
自然と人為、ピュシスとノモスの対立こそ自然主義です。
それはやはり、日本人にはなかなか理解できないものです。
漱石は、自然主義を嫌っていましたし、モーパッサンも読んで、小説の余白に
『モーパッサンは、バカである』とメモして批判しています。
下記の日程で行います。
ふるってご参加ください。
日時:2015年2月21日(土) 16時~18時頃まで
場所:長野市 もんぜんぷら座 会議室701
定員 7名
参加要件
できれば、『道草』を読んできてください。
当日、本をご持参下さい。
参加したいが、うまくしゃべれないので気後れするという方は
見学も受け付けています。
見学希望とお伝えの上で、参加してください。
見学の場合は必ずしも、全部読んでこなくても結構です。
参加費 無料
司会進行は私がすすめます。
初めての方でも安心して参加できるように、
私がしゃべりまくるので、見学だけでもどうぞ。
【新潮文庫『道草』ウラ表紙より引用はじめ】
海外留学から帰って大学の教師になった健三は、
長い時間をかけて完成する目的で一大著作に取りかかっている。
その彼の前に、十五、六年前に縁が切れたはずの養父島田が現われ、
金をせびる。養父ばかりか、姉や兄、事業に失敗した妻お住の父までが、
健三にまつわりつき、金銭問題で悩ませる。
その上、夫婦はお互いを理解できずに暮している毎日。
近代知識人の苦悩を描く漱石の自伝的小説。
【引用終わり】
作品に取り上げられていて、読み流してしまう部分を
丹念に読み込むことができればと思います。
お申し込みは、以下からお願いします。
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