12/6(土)長野市にて村上春樹の『国境の南 太陽の西』の読書会を行います。(終了しました)

この記事は4分で読めます

表題の原曲ナット・キング・コールの『国境の南』はこちらです。

 

私も含めて4名の参加で、たいへん盛り上がって終わりました。

参加してくれた皆様ありがとうございました。

 

私の方で、備忘録として感想を書いておきます。

 当日つかったレジュメはこちらからダウンロードできます。

 

(音声でもまとめました。)

赤い服を着て出てくるのは、イズミで、青い服を着ているのは、島本さんである。

ハジメくんに裏切られて、精神崩壊したイズミに、島本さんが憑依したのが

ハジメくんの前にあらわれる、島本さんである。

 

なので、最終部分で、島本さんだと思って追いかけた人物が、

イズミだったという謎がとける。

 

(以上のような、源氏物語の六条御息所の生霊のようなかたちで、

島本さんの生霊が、イズミに憑依しているという説を参加者の方より教えてもらいました。

この解釈は、衝撃でした。

日本文学の伝統に、古典文学からのメタフィクション=反自然主義が

息づいていて、その系譜に村上春樹が連なっているのだとつくづく感じました。)

 

28歳のときに、後をつけた島本さんらしき人も、イズミであり、

そのハジメの腕を掴んでたしなめ、10万円渡したのは、

イズミの父親かもしれない。(特徴が似ている)

 

ハジメくんと島本さんが結ばれるには、心中しなければいけない。

それが、島本さんに『中間』がないという意味である。

 

 

村上春樹は、宗教性が希薄なので、ファンタジーとしての『中間』を書く。

 

ハジメくんのいうところの『空中庭園』もファンタジーである。

 

 

そのファンタジーは、西欧の『神の国』と『俗世』という二元論

すなわち

『カエサルのものは、カエサルに、神のものは神に返せ(マタイの「福音書」第22章』

にあわない。

 

 

日本独自のものである。西欧人は理解できるのだろうか?

 

 

村上春樹は、すべての価値観を肯定しているが、悪をなしてしまう主人公の葛藤を描いている。

それは夏目漱石の『こころ』と同じである。

 

 

「国境の南」は、島本さんのことで、「太陽の西」は、イズミのことである。

同一人物だから、封筒の10万円も、『国境の南 太陽の西』のレコードも

なくなっている。ハジメの妄想だったか、幻だった。

 

 

ハジメきんは、環境を変えれば、新しくやり直せると思っているが、

人間だいたい、高校時代から人格的には進歩しない。

 

ハジメ本人の成長は、まるでない。

 

義父だけが現実(俗世)的な人物である。

 

石川県にいって、気を失った島本さんの瞳に地獄がうつるが、

ここに、島本さんが、イズミではないかという解釈を与えさせる余地がある。

 

イズミと再会する前に、島本さんだと思って追いかけた女性は、引きずっている足が逆である。
その後、タクシーに乗ろうとする、イズミの無表情と、

閉鎖されたボーリング場で死にかけている島本さんの眼は同じものである。

 

 

大学時代に付き合う寸前まで行った薬学部の女性は、イズミと島本さんのどちらなのか?

中雨と半端な存在で、よくわからない。

 

幼稚園に迎えに来る、たまに話す若いお母さんは、島本さんの化身だろう。

 

 

最後の場面で、ハジメくんの肩に手を置いたのは島本さんなのか?

青のイメージがでているので、島本さんかもしれない。(まあ、有紀子だろうが)

島本さんのイメージは、雨=青である。

 

有紀子は、都合のいい奥さんだ。しかし、義父いわく、有紀子も自殺未遂している。

イズミと島本さんの中間のような存在が奥さんである。

 

 

島本さんを成仏させるところまで書いてほしい 笑

 

箱根の別荘が火事で燃えてほしい 笑

 

(最後の2つは私の意見です)

 

ハジメと島本さんが心中しなければ、ケリがつかない。

 

神の概念なしに、現実を揺さぶるのが村上春樹である。

 

村上春樹のバランス感覚、中庸が好きだ。多くの価値観を認めている。

 

一人称小説だから、リアリティーの担保がない。

現実を担保してくれる友人の存在がない。

だから、果てしなくファンタジーになってしまう。

 

こんな意見が出ました。

録音しておけばよかったです。大変参考になる意見がたくさん出ました。

今後は参加者さんに了解いただいて、音声配信したいと思います。

私は、村上春樹の作品で、唯一面白かったのが、この作品でした。

村上作品には批判的で、理由はいろいろあるのですが、それは、音声のほうでお話します。

村上春樹の作品の面白さがようやくわかりました。

 

最後に、島本さんが再び店に姿を現したときに聴いた曲をご紹介します。

デューク・エリントンの『スタークロスト・ラヴァーズ』です。

 

 

ナット・キング・コールの『プリテンド』

(以下、旧告知文です)

こんにちは、宮澤です。

 

(自己紹介はこちら

 

12/6(土)長野市にて

村上春樹の『国境の南 太陽の西』の読書会を行います。

 

 

下記の日程で行います。

ふるってご参加ください。

 

日時:12/6(土) 15時~17時頃まで

場所:もんぜんぷら座 会議室 801

地図はコチラです。

定員 5名

参加要件 できれば、村上春樹の『国境の南 太陽の西』を読んできてください。

 

参加費/無料

 

司会進行は私がすすめます。

初めて参加される方にも、気後れしないように、

私がしゃべりまくるので、

様子見でも結構です。お気軽に参加ください。

 

【講談社文庫ウラ表紙より引用はじめ】

一人っ子として、ある欠落感をもっていた始に、

小学校時代、同じ一人っ子の女の子の友達が出来る。

25年後、37才の時、2人は再会し、激しい恋におちる――。

 

今の僕という存在に何らかの意味を見いだそうとするなら、

僕は力の及ぶかぎりその作業を続けていかなくてはならないだろう―たぶん。

「ジャズを流す上品なバー」を経営する、

絵に描いたように幸せな僕の前にかつて好きだった女性が現われて―。

日常に潜む不安をみずみずしく描く話題作。

【引用終わり】

 


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