柚木麻子さんの『ナイルパーチの女子会』読書会

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2016.10.14に行った柚木麻子さんの『ナイルパーチの女子会』読書会の

読書会のもようです。

みなさんに感想文を書いてもらいました。

私も書きました。

『うつろな自分 モラハラな女子会』

 

「まあ、おやじもさあ、親の残した土地に縛られて、色々可哀想なんだよな。
家を守らなきゃ教の最後の犠牲者っつうか」

 

『ナイルパーチの女子会』に登場する強烈なキャラクターである翔子の父を評しての
弟の洋平のセリフである。

 

翔子の父は、本家の長男として親から相続した広大な田畑と本家を守ることを

使命として生きていたが、甘やかされて育ったために、押しつぶされ、人間が歪んでしまった。

 

世間体は繕うものの、「自分からは決して動かない」という頑なさで、

翔子の母親をはじめとする家族を精神的な支配下に置くモラハラ男だった。

 

最後は、誰からも忌み嫌われ、ゴミ屋敷の孤独な住人として、

脳梗塞で倒れて死にかけていたところを、旦那に不倫がバレ、

出戻りせざるをえなくなった翔子に発見される。

 

 

介護の必要になった父は、親を捨てる極悪な娘として生きるか、

献身的な介護に自由を差し出し、奴隷になって生きるかの二者択一を翔子に迫り、

彼女の良心をゆさぶった。

 

 

彼は、同情を利用して、人を支配する典型的なマニピュレーターである。

栄利子もまた、翔子の父親と同じで、人を支配したがる女だ。

 

翔子は、第一印象は可愛くて美人で頭の良さそうな栄利子に惹かれたが、

外見とは裏腹に、彼女は粘着質で自分勝手なモラハラ人間だった。

 

 

翔子は、父や栄利子のようなモラハラ人間を引き寄せてしまう。

 

それはなぜか?

 

父や栄利子を、珍奇な動物でも眺めるように面白がる関心のありこそが、原因だ。

 

彼女には、自分にとって大切なものを客観的に笑い飛ばしてしまう自虐癖がある。

 

それは、自己重要感に空いた穴である。

 

圭子も同じようなうつろな穴を抱えている。

 

マイペースで淡白な自分を演じて、隠してはいるが、

自分を他人事としてネタにして笑ってしまった分だけ、自分が穴だらけになる。

 

彼女たちのうつろさを嗅ぎつけて、邪悪なモラハラ人間はハイエナのように襲ってくるのだ。

(おわり)

 

 

読書会のもようです。

音声が悪いので、クリアな音声で聴きたい方はこちらでどうぞ。

読書会1

読書会2

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