ジョージ・オーウェル『一九八四年』読書会のもよう(2019 11 1)

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2019.11.1に行ったジョージ・オーウェル『一九八四年』読書会のもようです。

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私も書きました。

「FCK LD」

NHKの『映像の世紀』を観ていたら、中国の文化革命時代に、知識人が、首から自己批判のプラカードをさげて、うなだれた姿で、さらし者にされている姿が映されていた。また、子供たちが親に詰め寄り、自己批判を迫るというシーンもあった。『一八九四年』の描写そのままだ。

天安門事件で失脚し、亡くなるまで軟禁状態にあった党幹部の趙紫陽なんかは、ウィンストンみたいでもあり、オブライエンみたいでもある。

ハロウィンのコスプレをして、トラックにDJを載せて、レイヴ・デモしている動画が、Twitterに流れてきた。誰かが「FCK LDP」というプラカードを掲げていた。LDPは自由民主党のことだが、LDはリベラル・デモクラシーの略である。一瞬「FCK LD」と見間違えた。なぜ、英語表記なのか? これも二重思考ではないか? 周到な罠ではないか? 疑念が湧く。こういうデモも所詮『ブラザー同盟』の亜種で、オブライエンのような「権力が目的」の人間が裏で糸を引いているのでは?

国家社会主義も、社会民主主義も、ともに全体主義である。財界・経産省・官邸の三すくみで国家社会主義化する政権も、それに随伴する右傾化勢力も、そこにカウンターをかける左派のデモも、権力が自己目的化して、手段を選ばないところがあり、おそろしい。

日本の失われた30年は、冷戦後の資本主義の崩壊と軌を一にしている。目下、政府による種々の統制は、現在の階層秩序を維持しようと弥縫策だらけである。年金資産や日銀による株式の買い上げ。北朝鮮の飛翔体とJアラート。厚労省の勤労統計の改ざん。森友事件公文書の改ざん。値段据え置きで、日に日に少なくなるカントリーマアム。思いつくだけでも、小説内に描かれていることが、現実になっている。そして、昨日(2019.10.31)には朝鮮戦争の一週間前に炎上した金閣寺さながらの首里城炎上である。

ジュリアを裏切って、完全に孤独になったウィンストンが、結果的に、ビッグブラザーを心の底から愛しているのに気づくというその皮肉な結末。さらに、心の底から愛した途端に、後ろから撃たれて殺されるという、救いようのなさ。これも、ほぼ現実に起こりうる話であり、実際に起ったのだろう。

政治権力を憎みながら死ぬことすら許されないという過酷な現実が容赦なく描かれている。

ホロコーストの体験記『これが人間か』や『夜と霧』の記述にも負けない、人間性の維持の困難が描かれている。

私たち庶民は、人間としては、すでに死んでいるのではないか? 守るも何も、人間が死んでいるのだから、リベラル・デモクラシーなど、とっくに死んでいるのかもしれない。

(おわり)

読書会の模様です。

 

  • 2020 01.20
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