ジョージ・オーウェル『動物農場』読書会のもよう(2017 11 10)

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2017.11.10に行ったジョージ・オーウェル『動物農場』読書会のもようです。

メルマガ読者さんに頂いた感想文はこちらです。

私も書きました。

「改憲は良い、護憲はダメ」

動物たちみんなで起草した七戒は、自由と平等を保証する、いわば動物共和国の憲法だった。民主主義ならぬ動物主義の原理が記されていた。

しかし、ベッドのシーツの件を皮切りに、七戒は、独裁指導者ナポレオンの都合のいいように、ひそかに改憲された。気の毒な動物たちは文字が読めなかったから、改憲に気づかなかった。

ウシ小屋の戦いで、英雄となったスノーボールは、クーデターによって追放され、国家反逆者にとしてレッテル貼りされた。都合の悪いことはすべて彼のせいにされ、彼の風車建設計画は、ナポレオンに横取りされた。

やがて、ナポレオンに歯向かうものは、処刑され、労働に従事しないイヌとブタの腐朽官僚制度が整った。

こうして、国家権力は腐敗する。

解釈改憲や、排外主義、歴史修正、この政権下で起こっていることは、動物農場の出来事と無縁だろうか。

権力の腐敗が、一部の者たちだけの利権の平等や自由の正当化というお笑い草を演じている。権力への自発的なおもねりによって権威主義がはびこり、デモクラシーに機能不正がもたらされている。選挙の投票率がどんどん下がっている。

権力批判は、まるで「四本足はよい、二本足は悪い」の羊たち大合唱でのような茶番で、かき消されていた。

2017.10.21の夕方、秋葉原に乱立した日の丸と怒号のような歓声のなか安倍総理の候補者応援演説が行われた。

シニシズムに侵されているインテリ諸君は、ベンジャミンのようにタメ息をつかざるをえなかった。(私も、タメ息をついた)

我々は、七戒を読めない動物を、笑うことができるのか。

 

国民主権、平和主義、基本的人権の尊重をうたった我々の民主主義の七戒である日本国憲法は、改正されて納屋の奥にうち捨てられるようとしている。

ボクサーは国家のために、身を粉にして働いた。「ナポレオンは正しい」と、素朴に信じていた。動物共和国の理念に最も奉仕した彼が、死を目前にして馬肉処理業者に引き取られていく姿は哀れだ。

次に、馬肉のように処理されるのは、我々の平和を愛する勤勉な仲間の番ではないか?

(おわり)

読書会のもようです。

 

  • 2017 12.06
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