ニーチェは、カント哲学をキリスト教のデカダンスの一形態として批判します。
また、民主政をキリスト教の世俗化として批判します。
カント哲学への批判を語るツァラトゥストラは
『神の国』に最も近い『幼な子』こそが
理性的存在者だと、捉えています。
そうすると、いったい、この俗世に、『幼な子』が存在しうるのでしょうか?
人間は身体を持つ限り、欲望から逃れられません。
欲望を否定し、理性を重視することは、身体の軽蔑にほかなりません。
身体の軽蔑者こそが、カント哲学を辛抱する人々です。
永遠平和のために、いま、この俗世に生きていることを軽蔑する者。
それがカントです。
理性を説き、身体を軽蔑したカントに向かって
ニーチェは、「あなたは超人への橋ではない」と告げます。
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