『ファンタジー批判』について

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私が、ずっと関心のあることは、

この世の『善と悪』はどのように決まっているのかという問題です。

なにが、『善』でなにが『悪』かわかっていないと、

この世で生きていて、非常に苦しみます。

 

しかし、この『善と悪』が何なんなのかわからなくしている

一番大きな原因は、ファンタジーです。

 

ここでいうファンタジーというのは、

アニメやマンガなどに描かれている空想的なことがらだけでなく、

目の前の現実をみようとしない態度も指します。

 

頭のなかにお花畑が咲いているのが

ファンタジーのイメージですが、

我々は、予想以上に現実逃避に誘惑されています。

 

むしろ、現実だと信じていることが

ファンタジーであることが多いです。

 

私はYouTubeで、現在キルケゴールの哲学書

『死に至る病』を解説しています。

この本は、ファンタジー批判の書なのですが、

その他にも、プラトンの『国家』において

ソクラテスが、ファンタジーを批判しています。

 

なぜ、私が、この世のファンタジーを批判することが必要と考えるかというと、

現実を批判するより、ファンタジーを批判するほうが

『善』と『悪』の問題がはっきりするからです。

 

たとえば、最近のテレビではオネエキャラの芸能人や、ハーフの芸能人を

見かけない日はありません。

 

日本の常識からはややずれていたところで、バラエティーとして

受け入れられている彼女たちの言動を

私は批判すべきファンタジーの代表例としてあげたいと思います。

 

オネエであったり、ハーフであることで、

見世物的に芸能人が振る舞うことで、

現実の中の『善と悪』が見えにくくなる部分があります。

 

オネエキャラなので、女性に対して本音で批判する発言しても大目に見られる。

ハーフなので、言葉遣いがおかしかったり礼儀知らずだったりでも許される。

 

テレビの演出としては、特に批判される筋合いはないものかもしれません。

 

しかし、それらの言動は、テレビの演出としては、許されるのでしょうが、

視聴者が、それらに慣れていくうちに

現実社会の一般人の言動としても、なぜか、なし崩し的にあいまいに

許されていくケースがあります。

 

やがて、私たち一般人の言動は、彼女たち芸能人の基準に合わされていきます。

 

それほど、テレビの影響は、強烈です。

 

すでに、現実社会で起こっていることですが、

テレビに影響された一般人が

人に対して本音をすぐ口にして、笑いを取ろうとしたり、

目上の人に対する言葉遣いがおかしかったり、礼儀知らずだったり

こういうことがだんだん許されてしまう社会になっています。

 

ただ、こういう風潮を批判しても

もう手遅れでしょう。

 

日本人の美徳が壊れていると言っても、

そもそもそんな美徳があったのか?

という話になりかねません。

 

日本人の美徳だって、ファンタジーだったのかもしれません。

 

日本人の信奉していた美徳には、そもそも善悪の基準と明確な因果関係がありません。

だから、美徳だと思われていたものも、失われていったのです。

 

勤労という美徳が善であるという因果関係に

どのように説明をつけるのか?

 

現代では、過労死するまで働くことは善ではありません。

 

勤労の美徳には、封建主義の美徳であって

もともと、善悪の基準との因果関係はなかったです。

 

日本人の善悪の基準は、封建主義のなごりでしかありません。

封建主義のなごりへの郷愁は、ひとつのファンタジーでしかありません。

 

現実がファンタジーになっているのが今の時代です。

 

この世の中は、善悪の基準がなし崩しになって

すべてがファンタジーのような

実感のないふわふわした世界になっています。

 

なぜ、このようなことが現実社会で進行しているのかを

いくつかの側面で、分析していきたいと思います。

 

そして、ファンタジー批判こそ

わが信州読者会の課題として

取り組みたい問題であります。

文学作品を精読しながら、ファンタジーを批判していきたいと思います。

 

 

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