カントの『道徳形而上学原論』を精読する その18

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賃金の3つの要素について佐藤優さんの『人間の叡智(えいち)』(文春新書)から

説明しました。

(引用はじめ)

人間が働く能力は、本来商品にされるものでなかったのに、商品にされたのはどういうことか。

労働者は賃金をもらいますが、その賃金は三つの要素から成り立っている。

 

一番目は、一ヶ月生活して、家を借りて、ご飯を食べ、服を買い、いくばくかのレジャーをする。

それによってもう一ヶ月働くエネルギーが出て来る。そのための費用です。

 

二番目の要素は、労働者階級の「再生産」。

すなわち、子どもを産み、育て、教育を受けさせ、労働者にして社会に送り出すまでの

費用が賃金に入ってないといけないのです。

独身者の場合は、将来のパートナーを見つけるためのデート代が入ってないといけない。

そうでないと資本主義のシステムが再生産できない。

 

三番目の要素は技術革新に対応するための教育の経費です。

資本主義は科学技術の革新が常にある。

労働者がそれに対応するための自己学習の費用が入っていないといけない。

 

その三要素がないと、資本主義はまともに回らないのです。

ところが個別の資本は、少しでも搾取を強めようとする。

だからといって、二番目、三番目の要素は切られてしまいがちです。

一番目の要素もどんどん切り詰めていく。

それによって搾取率を強化する。

資本とはは本来そういうものです

搾取は、不正なことではないのです。

(引用終わり)

佐藤優『人間の叡智(えいち)』(文春新書) P144より。

この三要素を満たせないことで、労働倫理も変わってきます。

そのことをお話しました。

 

 

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