
道徳を、実例に求めることはできない。
また、道徳は、模倣することができない。
とカントは言います。
それは、新約聖書の
ルカの福音書 18章 18-19 の
「汝等は何故に我れ(汝等に見える)を善しと言うや、神(汝に見えぬ)ひとりのほかに
善きもの(善の原型)はなし」
に繋がる話です。
その福音書の言葉の前後と、「駱駝と針の穴」の例えや
ニーチェの『ツァラトストゥラはこういった』の
『精神の三変化』の「幼な子」のお話の関係について解説しました。
(ルカの福音書 18章 18-30 引用はじめ)
18:18
また、ある役人がイエスに尋ねた、「よき師よ、何をしたら永遠の生命が受けられましょうか」。
18:19
イエスは言われた、「なぜわたしをよき者と言うのか。神ひとりのほかによい者はいない。
18:20
いましめはあなたの知っているとおりである、
『姦淫するな、殺すな、盗むな、偽証を立てるな、父と母とを敬え』」。
18:21
すると彼は言った、「それらのことはみな、小さい時から守っております」。
18:22
イエスはこれを聞いて言われた、
「あなたのする事がまだ一つ残っている。持っているものをみな売り払って、
貧しい人々に分けてやりなさい。そうすれば、天に宝を持つようになろう。
そして、わたしに従ってきなさい」。
18:23
彼はこの言葉を聞いて非常に悲しんだ。大金持であったからである。
18:24
イエスは彼の様子を見て言われた、「財産のある者が神の国にはいるのはなんとむずかしいことであろう。
18:25
富んでいる者が神の国にはいるよりは、らくだが針の穴を通る方が、もっとやさしい」。
18:26
これを聞いた人々が、「それでは、だれが救われることができるのですか」と尋ねると、
18:27
イエスは言われた、「人にはできない事も、神にはできる」。
18:28
ペテロが言った、「ごらんなさい、わたしたちは自分のものを捨てて、あなたに従いました」。
18:29
イエスは言われた、「よく聞いておくがよい。だれでも神の国のために、
家、妻、兄弟、両親、子を捨てた者は、
18:30
必ずこの時代ではその幾倍もを受け、また、きたるべき世では永遠の生命を受けるのである」。
(引用終わり)
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